厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)部会は14日、労働災害(労災)保険制度の見直しについて、遺族補償年金の支給要件の男女差解消などを盛り込んだ報告書案を了承した。厚労省は今月開会の通常国会に改正労災保険法案を提出する予定。

 遺族補償年金は労災で死亡した人の遺族に支給される。現行制度では、妻には年齢制限がない一方、夫は55歳以上か一定の障害がなければ受け取れない。報告書案は「夫にのみ課せられた支給要件を撤廃することが適当」とした。

 また高齢や障害のある妻に通常より多い日数分が支給されていた特別加算を廃止するとした。遺族が1人の場合は、一律に同じ日数とする。特別加算に日数を合わせるため、給付水準は引き上がる。

 支給要件の男女差は、妻が自力で生計を維持することは困難だという考えに基づいて続いてきたが、女性就業率の上昇などを受け、見直しが必要と判断した。

 また労災保険が任意加入となっている小規模の農林水産事業者について、強制加入とする方針も盛り込んだ。施行準備期間を設ける。

 労災保険の請求権の時効では、発症後すぐの請求が困難な場合がある脳・心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾患などを対象に、現行の2年から5年に延長する。

 他に、現行制度で労働者側のみに通知されている労災保険の支給・不支給決定について、経営者側にも決定の有無や給付種別を通知すべきだとした。労災事故の再発防止を目的としている。【塩田彩】

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