中部電力が浜岡原子力発電所の耐震設計に関わるデータを不正に操作した問題で、同社の林欣吾社長は15日、原発が立地する静岡県御前崎市と周辺3市を訪れ、市長らに謝罪した。
林社長の訪問を受け、御前崎、菊川、牧之原、掛川の4市で構成する浜岡原発安全等対策協議会は、各市長の連名で「申し入れ書」を提出した。外部専門家による第三者委員会の調査、再発防止策の検討を徹底的に実施するとともに、その結果を遅滞なく各市と市民に説明し、広く公表することを求めた。
申し入れ書は御前崎市の下村勝市長から林社長に手渡された後、4市長の協議で浜岡原発の安全対策を「これまで以上に講じることを強く求める」との文言が追加された。
データの捏造(ねつぞう)が明らかになり、中部電への信頼が失墜する中、現在の施設に対する市民の不安が広がっていると各市長が指摘。牧之原市の杉本基久雄市長は「南海トラフ地震が発生した場合は大丈夫なのか。早急に確認し、必要な対策を徹底してほしい」と求めた。
中部電のガバナンスへの批判も各市で相次いだ。菊川市の長谷川寛彦市長は、データ不正を林社長が把握したのが昨年12月で、社として原子力規制庁から調査連絡を受けてから7カ月も経過していたことを指摘。「トップに報告が上がってこないことに驚く。健全な組織とは言えない」と厳しく言いつのった。
林社長は管理職を含む数人が不正に関与していると説明したが、各市長らからは「背景には幹部からのプレッシャーがあったのでは」との声も。掛川市の久保田崇市長は「なぜこうしたことが起きたのか徹底究明し、二度と起きないようにしてほしい」と要望した。
林社長は面会後の取材で「社員には再稼働への思いはあったと思う。それが目標なのか、プレッシャーを与えられ不正につながる背景になっているのか。第三者委の結論などを踏まえて考えていく」と話した。【藤倉聡子、照山哲史】
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