ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は19日から新たに始めるポイントサービス「バリープログラム」で九州創業の店舗や交通機関の決済に最大20%を還元すると16日発表した。北九州発うどんチェーン店「資さんうどん」や福岡地盤の食品スーパー「マルキョウ」、福岡市地下鉄などと提携する。地域密着型でメガバンクなど既存の共通ポイントと差別化する。

ふくおかFG傘下の福岡銀行と熊本銀行、十八親和銀行が始めるバリープログラムでは、新たにクレジットカード「バリーカード」を発行し、提携する店舗などの支払いで利用すると支払額の一部をポイントで還元する。

提携社数は18社、計46ブランドで使える。最大20%還元の「対象店PLUS(プラス)」と最大15%還元の「対象店」に分かれ、プラス店は九州で創業するなど地域にゆかりある企業で構成する。通常の対象店にはスターバックスやセブンイレブン(4月から)などの全国チェーン店も名を連ねる。

ふくおかFGの五島久社長は「顧客の日常の動線に地域の事業者が入り、便利に使ってもらうことで、九州にお金やモノ、サービスが循環するようにしたい」と語る。地銀初となる新たなポイント経済圏を構築する狙いだ。

記者会見する(左から)熊本銀行の坂本俊宏頭取、ふくおかFGの五島社長、俳優の井桁弘恵さん、十八親和銀行の山川信彦頭取(16日、福岡市)

基本の還元率0.5%に加え、対象店舗では1.5%〜9.5%を上乗せする。さらに銀行サービスの利用状況に応じてランクが上がり、最大5%を加算する。リボ払いなど一部の取引項目は個別で上乗せして最大5%増える。

ランクに応じてコンビニエンスストアのATM手数料や他行への振り込みが無料になる特典も付与する。若年層を取り込むため、18〜25歳の利用者には自動的に最上位のランクを適用する。

ふくおかFGはバリーの目標利用数として2026年度に26万口座、5年後には64万口座を目指す。テレビCMや各行のアプリなどで認知を広げ、法人顧客を通じて各社の従業員にも案内する。加盟店舗もスーパーや交通機関などを念頭に順次増やす。

これまでは銀行サービスの利用に応じて独自ポイントを付与する「mybank+(マイバンクプラス)」を提供してきたが「ポイントがたまりにくかった」(五島社長)。クレジット決済の支払額に応じて得られるポイントは独自で備えていなかった。

日常的な決済を通じて独自ポイントをためたり使ったりしやすくし、傘下行に顧客を囲い込む。五島社長は「一様に20%還元ではなく、取引の多い顧客やこれから育つ若者には高くポイントを設定してメリハリをつけ、お得感を出す」と語る。

国内での競争は激しい。電子商取引(EC)を基盤とする楽天グループ、三井住友フィナンシャルグループ、通信や小売りなど多くの業種が参入する。各社は高いポイント還元率を打ち出し利用者の取り込みを図るが、規模を拡大すればするほど利益を圧迫するジレンマもある。

ふくおかFGの狙いは住宅ローンや資産形成など決済を起点とした取引の多様化だ。コスト負担に耐え、長期的な関係を築く顧客を呼び込むには経営体力が問われそうだ。

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