三菱商事は16日、米国でシェールガスの開発などを手がけるエーソン社を買収すると発表した。株式の取得額は52億ドル(約8200億円)で、三菱商事として過去最大の投資案件となる。有利子負債の引き受けを含めた買収総額は約1・2兆円に上る。6月ごろまでに取得する見込み。
生成人工知能(AI)やデータセンターの進展などにより、世界的なエネルギー需要が拡大している。安定的なエネルギー源として需要が見込まれている天然ガスの供給体制を強化し、収益基盤の拡大を目指す。
東京都内で記者会見した中西勝也社長は「高いコスト競争力を持つガス上流資産を取得し、ここを基点として世界のエネルギー課題に応える天然ガスバリューチェーンの構築に取り組んでいきたい」と述べた。
エーソン社は米南部テキサス州やルイジアナ州にまたがるヘインズビル盆地でガス開発の権益を持つ。年間生産量は、2028年度のピーク時に液化天然ガス(LNG)換算で1800万トンに到達する見通しで、日本の24年のLNG輸入量全体の約4分の1に相当する規模だ。
米国ではトランプ政権が化石燃料の生産拡大を後押ししており、新規輸出の規制緩和も進めている。生産するガスは、需要が高まっている米南部を中心に販売するほか、欧州や日本を含むアジアにLNGとして輸出することも検討する。
三菱商事は昨年、国内の洋上風力事業から撤退を決め、建設費の高騰などによる再生可能エネルギーへの逆風を受けた。中西氏は「カーボンニュートラル社会は不可逆的だが、そこに至るまでのトランジション(移行)は相応に長くなるだろう。天然ガスはグリーンではないが、(他の化石燃料よりも)よりクリーンで最も安定的だ」と話し、世界的に天然ガスの需要が高まる見通しを示した。【佐久間一輝】
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