中国の国旗=ゲッティ

 中国国家統計局が19日発表した2025年の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質で前年比5・0%増だった。中国政府が掲げた「5%前後」の成長率目標を達成し、24年の5・0%増から横ばいだった。

 トランプ米政権による高関税措置の影響をはねのけ、輸出が堅調だったことが成長をけん引したが、長引く不動産不況や消費の伸び悩みは深刻で、景気の停滞感は続いている。中国政府は今後も厳しい経済運営を迫られそうだ。

 生活実感に近いとされる名目GDPは3・9%増。実質成長率を下回る「名実逆転」で、デフレ圧力が強い状態が続いている。

 25年10~12月期の成長率は4・5%で、7~9月期の4・8%から失速した。投資が落ち込み、消費も伸び悩んだ。前期比では1・2%となり、7~9月期(1・1%)とほぼ同水準だった。

 GDPと同時に発表された経済指標によると、25年の不動産開発投資は前年比17・2%減で4年連続のマイナスとなった。下げ幅は24年の10・6%減よりも拡大した。住宅や商業施設などの販売面積は8・7%減で、不動産市場が上向く兆しは見られない。

 個人消費の動向を示す社会商品小売総額は前年比3・7%増だった。年間では前年(3・5%)から微増したが足元では伸び率が鈍化している。雇用や賃金が伸び悩んでいることに加えて、政府による補助金の効果が限界に達しつつある。

 ここにきて、落ち込みが深刻化しているのが投資だ。工場建設などを含めた固定資産投資は3・8%減で年間でマイナスに転じた。これまでけん引約だった自動車にも陰りがみられる。鉱工業生産は5・9%増だった。

 内需の落ち込みが深刻化する中で成長を支えているのが外需だ。輸出(人民元ベース)は6・1%増。トランプ米政権との貿易戦争もあり対米輸出は落ち込んだが、アフリカや東南アジア諸国連合(ASEAN)などのグローバルサウス(新興・途上国)への転換が進んだ。一方で急激な輸出拡大はそれぞれの地域で新たな貿易摩擦を生む懸念もある。

 習近平指導部は26年の経済運営方針として「内需拡大」を最優先課題に掲げている。3月に開催される全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で今年も高い成長率目標が掲げられるとみられるが、実効性のある経済対策を打ち出せるか注目される。【北京・松倉佑輔】

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