
日本船舶輸出組合(東京・港)が19日発表した2025年の輸出船契約実績(受注量)は、24年比20%減の893万総トンだった。4年連続で減少した。造船需要は旺盛なものの国内造船所の建造能力が限られ、29年ごろまでの工事予定で船台が埋まっており需要を取りこぼしている。
受注隻数は186隻で、24年(251隻)から3割減った。船種別にみると、コンテナ船など貨物船が25隻、鉄鉱石などを運ぶばら積み船が147隻だった。タンカーは13隻だった。
25年12月単月の輸出船契約実績は、前年同月比59%増の145万総トンだった。造船各社の12月末の手持ち工事量(受注残)は3.6年分に相当する3001万総トン(622隻)だった。
国際海事機関(IMO)による2050年の温暖化ガス排出量ゼロに向けた排出規制の採択が延期となり、アンモニアや水素などの次世代燃料船の発注は様子見が続く。日本船舶輸出組合は「発注する船主側も主流になる燃料を見極めており、様子見している。造船各社も仕事量が確保できており、焦って商談を進める状況ではない」とみる。

日本はかつて世界の造船シェアでトップだったものの、中国や韓国に押され10%台まで落ち込んでいる。国は35年には現在の建造量のほぼ倍の1800万総トンとする目標を掲げている。25年12月には造船業の再生に向けたロードマップを公表した。
ある業界関係者は「国の倍増目標に向けて受注量を増やしていく必要があり、急激には増えないものの今後受注が増えていくことは間違いない」とする。次世代燃料船に代わり「重油炊きの船の受注が出ているという動きもある」とも指摘する。
造船需要そのものは既存の船の更新のほか中長期的な環境対応で今後も伸びるとの見方が強い。日本勢では国内首位の今治造船が2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU、横浜市)を子会社化した。次世代燃料船の開発へ今治やJMUなど造船と日本郵船など商船の計7社が組むなど民間でも建造能力増強に向けた動きが進んでいる。
(久貝翔子)
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