大塚ホールディングス(HD)傘下の大塚製薬と後発薬大手の東和薬品は21日、特許が切れた医薬品の安定供給に向けて協業すると発表した。大塚製薬が持つ特許切れ薬の製造・販売を東和薬品に引き継ぐなどする。生産集約による効率化や緊急時の相互支援を通じて、医薬品不足の解消につなげるのが狙いだ。

特許切れ薬と後発薬は競合する製品だ。先発薬メーカーと後発薬メーカーは一般的にライバル関係にあることから、両者が連携するのは珍しい。

大塚製薬は3月以降、特許切れした自社製品について、製造・販売の権利を東和薬品に承継するか、販売する権利を維持したまま製造を委託する。これまで特許切れ薬を作っていた工場の資源や人員を他の医薬品の製造に回す。東和薬品の工場内で設備投資が必要な場合、費用を負担する。自社の特許切れ品の品目数や、承継する具体的な製品や規模については非開示としている。

東和薬品は大塚製薬と製造ノウハウなどを共有し、必要に応じて製造の支援を受ける。供給が滞るなど有事の際に、互いに補助できる体制作りを狙う。引き継いだ権利をもとに後発薬を開発する際、大塚製薬のノウハウを活用できる利点もある。

大塚製薬などの先発薬メーカーにとって特許切れ薬の製造・販売は重荷となっている。安定供給の義務を負う一方で、薬価引き下げなどを受けて収益を得にくいためで、東和薬品に一部を委ねることで負担を抑える。一方、東和薬品は生産品目を増やすことで収入を拡大させ、同時に生産の効率化もできると判断した。

厚生労働省によると、2025年11月時点で全ての医療用医薬品の14%(2252品目)が全ての受注に対応できない「限定出荷」や「供給停止」となっている。後発薬メーカーによる品質不正に端を発した医薬品の供給不安は長期化しており、安定供給が課題となっている。

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