電動機制御盤の不具合について説明する東京電力柏崎刈羽原発の稲垣武之所長=柏崎刈羽原発ビジターズハウスで2026年1月22日午後7時、内藤陽撮影

 東京電力ホールディングス(HD)は22日、制御棒に関する不具合を受け、柏崎刈羽原発6号機の原子炉停止を判断した。前日に14年ぶりに再稼働したばかりだった。原発が立地する新潟県内では、福島第1原発事故を起こした同社による再稼働を懸念する声が根強く、更なる不安拡大を招きかねない事態となった。

 「安全を最優先するために責任者として原子炉の停止を判断した」。柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は22日夜、トラブルを受けた記者会見でこう語った。

 引き抜けば核分裂反応が始まる制御棒は、原発の安全性を担保する根幹の部品の一つ。17日には全205本のうち、88本で警報が正常に動作しない状況が発生し対応したが、今回は制御棒の動きを制御するインバーターの不具合だった。14日にも同様の不具合を確認。予備品と交換し正常に動作していたが、今回不具合が見つかった別の制御棒1本では、交換しても直らなかったという。

 今後は、納品している東芝と原因を究明するが、インバーター自体の問題が見つかれば、残る204本の部品も含めて対応を検討する必要がある。このため、調査にかかる期間や2月26日に予定していた営業運転開始時期への影響は不明とした。

 再稼働翌日の原子炉停止について、国の原子力委員長代理を務めた鈴木達治郎・長崎大学客員教授(特定非営利活動法人ピースデポ代表)は「前代未聞で普通では考えられない事態だ」と指摘。「10年以上稼働していなければ、どの原発でもトラブルは起こり得る」とする一方、「これまでなぜ見つからなかったのか。再稼働を急ぐために慌てて確認作業をしたのではと言われても仕方がない」と語った。

 トラブルが多発する状況に、この日の会見では東電が原発を動かす資格を問う声も出たが、稲垣氏は「我々は事故の反省を生かす義務がある。それが私たちが原子力をやる意味だと思っている」と述べた。【中島昭浩、内藤陽】

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