記者会見する東京電力ホールディングスの小早川智明社長㊧(26日、東京都千代田区)

東京電力ホールディングスは26日、外部から資本を受け入れることも選択肢とする提携戦略を盛り込んだ新たな再建計画を発表した。月内にも広く提案を募る。福島第1原子力発電所事故の対応費用や原発安全対策、送電網増強などで費用がかさむ。資金確保への成長戦略を外部と連携して進める。

東電と筆頭株主で経営再建を監督する国の認可法人、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が策定した新たな再建計画「第5次総合特別事業計画」について、26日、経済産業省が認定した。5年ぶりに見直した。

今回の再建計画の柱に据えた提携戦略では、国内外の投資ファンドや事業会社を念頭に、「期限を切って広く提案を募集する」とした。

東電の小早川智明社長は同日の記者会見で「企業価値向上はこれまで以上に厳しい道のりだ」と話した。「中長期的な廃炉推進と企業価値向上を両立するカギは提携の実現にある」と強調した。

小早川社長は株式の非公開化について問われ、「制約は設けない」と幅広い選択肢を検討する意向を示した。

提携戦略の募集時期は明らかにしなかったが、複数の関係者によると月内にも説明する機会を設ける見通しだ。戦略を検討する社外取締役を含む委員会を既に設立した。

26日記者会見した原賠機構の増田寛也運営委員長代理(元総務相)も「原発を再稼働しても東電だけでは廃炉などの福島事業と(電力などの)経済事業の両事業を果たすのは困難と言わざるを得ない」と指摘した。

投資余力が少ないなか、成長事業への投資も急ぐ。首都圏で拡大が見込めるデータセンター向け電力需要の取り込みを強化する。他社との提携や周辺サービスの組み合わせを進め、早期に電気を供給できるようにする。

脱炭素化では40年度までに供給する電気の6割以上を脱炭素電源にする目標を示した。洋上風力や次世代地熱発電など再生可能エネルギーの電源を増やす。

柏崎刈羽原発(新潟県)を巡っては、6、7号機が国の安全審査を終え、地元同意も取り付けている。6号機は26年1月21日に再稼働したが、機器の不具合で原子炉を停止中だ。7号機は再稼働の条件となるテロ対策施設の建設を進める。

東電は福島原発事故による賠償や廃炉を進めるため、国から11兆円を超す「借金」を抱えている。今回の再建計画でも、東電が毎年の純利益から年5000億円程度を国に返すといった従来計画を維持した。デブリ(溶融燃料)の取り出しが本格化するなか、廃炉を円滑に進めるため、関連組織の再編を検討する。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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