ワーカーや来街者が利用できる2階の「キャナルダイニングホール」(28日、東京都港区)

野村不動産は28日、JR東日本とJR浜松町駅周辺で再開発をしているツインタワー「ブルーフロント芝浦」(東京・港)で、9月1日に開業する1棟目の飲食フロアを報道陣に公開した。芝浦運河に臨むテラス席などで、年間に70万〜80万人の来場者を見込む。

飲食を中心に27店舗、客席は全体で約1000席を設けた。昼はフードコート、夜は複数店舗が一体となったレストラン形式のダイニングホールを2カ所に設置した。1階には植物に囲まれた空間に和食やカレー、イタリアンなど6店を誘致した。一部の席は公共スペースとして地域に開放し、飲食の持ち込みもできる。

ブルーフロント芝浦に1号店を出店した海鮮料理店「芝浜市場」の「カスタム海鮮丼」(㊧、1100円〜)と「漁師のシーフードカレー」(1180円)(28日、東京都港区)

2階のダイニングホールは船着き場のある芝浦運河沿いに臨むように設計した。約3割をテラス席にして海風を感じながら食事できるようにした。海鮮料理店やオリジナルクラフトビールを提供するバーなど8店が出店した。

ダイニングホールは終日、一般に開放する。ビルの利用者だけでなく、来街者も自由に使えるようにして人流を増やす。

野村不動産は飲食専門ビル「GEMS(ジェムズ)」を開発した実績がある。野村不動産ホールディングスの黒川洋取締役兼執行役員は「飲食部門の集大成ともいえる。地域に開かれたコミュニティーハブになることを目指す」と語った。

ブルーフロント芝浦は東芝の旧本社があった浜松町ビルディングと、JR東の保有地を一体開発する計画。高さ約230メートルのツインタワーにオフィスやホテル、商業、住宅を備え、延べ床面積は約55万平方メートルとなる。

2025年2月に竣工した1棟目の「タワーS」には野村不グループ8社が新宿から本社を移転した。27年度には浜松町ビルディング跡地に2棟目の「タワーN」を着工し、30年度の完成を目指す。

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