
日本建設機械工業会(建機工、東京・港)が29日発表した2025年の建機出荷額は、前年比1.3%減の3兆4124億円だった。2年連続のマイナスながら小幅減だったのは、米国の関税影響を欧州で在庫調整が進んだことによる回復などで補ったためだ。26年は米関税の影響の本格化や国内の人手不足に伴う需要の停滞により、見通しは厳しい。
25年の輸出向け出荷額は前年比0.6%増の2兆3794億円だった。地域別にみると中国を除くアジア、欧州、アフリカ、中南米で増えた。24年に不調だった欧州市場は金利の低下や在庫調整が進んだことで、24.6%増と大きく回復した。鉱山機械の需要があった中南米も25.6%増と伸びた。
北米は8.3%減の8176億円だった。トランプ米政権が相互関税を発表した後の25年4〜8月に輸出控えがあった影響が出た。「関税の状況が見通せず輸出をコントロールしていた企業もあり、短期間で金額の増減があった」(建機工)。
建設用・鉱山用機械は24年度時点で対米輸出額全体の4%を占めている。相互関税15%のほか、鉄・アルミ部分には調達価格の50%にあたる鉄鋼・アルミ関税がかかる。
国内向け出荷額は5.3%減の1兆330億円だった。建設業界の人手不足や資材の高騰で大きな開発プロジェクトが進まず、建機の需要に影響を及ぼしている。JR中野駅前の複合施設・中野サンプラザ(東京・中野)の再開発計画や名古屋鉄道による名古屋駅前の再開発計画など、白紙化や見直しが相次いでいる。
帝国データバンクの調べによると25年の人手不足倒産は427件で、そのうち建設業は113件にのぼった。「工事はあっても人手が足りない状況が続いている。建機の整備をする人手が足りていないこともこの数年課題になっている」(建機工)という。
26年も国内の深刻な人手不足は変わらないほか、輸出では米関税の影響が大きくなってくる。関税発動直後は既に米国にあった在庫で対応できた分もあったためだ。コマツは関税影響が27年3月期に今期比2倍の1200億円の営業減益要因になると見込み、値上げで吸収していくとする。人手不足と関税影響の二重苦が各社に重くのしかかる。
(久貝翔子)
【関連記事】
- ・コマツCFO「27年3月期は今期並みの値上げへ」 米関税影響倍増などで
- ・日立建機の先崎社長「社名をランドクロスへ変更、会社が変わる好機」
- ・コベルコ建機の山本社長「ICT建機、日本で鍛えれば海外でも通用」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。