
伊藤忠商事は28日、米国の缶詰スープの老舗ブランド「キャンベルスープ」を日本に輸入・販売する権利を取得したと発表した。9月から一部地域や小売店を除き、独占的に販売する。キャンベルジャパン(東京・渋谷)から権利を引き継ぎ、缶詰スープのほかコンビニ向けのカップスープや粉末スープの品ぞろえを拡充する。2030年度までに国内売上高を3倍の30億円規模に増やす。
キャンベルスープは1895年に米国で販売を開始した老舗ブランドで、日本を含め世界120カ国以上で販売されている。
濃縮されたスープに水や牛乳を加えて鍋で温めて食べる缶詰スープが主力商品だ。コーンポタージュなどの具材が多く、食べ応えがあるのが特徴だ。日本でも食品専門店の「カルディ」や大手スーパーを中心に全国で販売されており、24年度の売上高は約10億円(コストコでの販売分を除く)だった。
調査会社のIMARCによると、日本のスープ市場は24年の1030億円から33年には3割増の1320億円に成長すると見込まれている。市場の大部分はお湯をそそぐだけで食べられるカップスープや粉末スープが占めているが、キャンベルはそうした商品が少なく、需要に応え切れていない。
伊藤忠はコンビニ向けを中心に新たな商品開発を提案していく。今秋にも粉末やカップタイプなど新たな商品の試験販売を始め、全国展開を目指す。既存商品もグループの販売網を生かしてドラッグストアや地方スーパーなどに販路を広げるほか、パスタソースの開発も視野に入れる。
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