長野県は2日、県内全域を対象に実施した「ガソリン価格の実態調査」などの中間報告を公表した。2016年以降の10年間で分析すると、県内のガソリン卸価格が全国平均に比べ0.4〜2.2円の幅で高い一方、販売価格は全国平均比で1.5〜9.6円の幅で高くなっていた。事業者の経営状況や価格決定方法についても調査しており、今後もヒアリングなどを進める。

長野のガソリン価格が比較的高い要因には臨海部の製油所からの輸送コストや経営悪化を受けたSS(サービスステーション)減少による競争環境の変化、SSあたりの販売量の少なさなどが挙げられてきた。調査によると県内SSは23年に755カ所と1989年比で約46%減った。ただ、比較対象として調べた隣の群馬県は減少率が約60%と長野が著しく減っているとは言いがたい。

一方、1つのSSあたりの販売量は全国と群馬県に比べ2〜3割少なく、利益確保や経営多角化が必須だ。SSを1カ所のみ運営する43事業者の財務状況では営業利益率が平均5.5%で、主要事業がガソリンスタンドの事業者に限定すると同1.7%まで落ち込む。

長野と群馬のそれぞれ約20事業者に販売価格の決め方について尋ねたところ、群馬は「1リットルあたりのマージンを設定して仕入れ原価に上乗せ」が76.2%と最も高かった。長野では「近隣同業者の価格と同程度に設定」が最も高く、52.2%に達した。

「ガソリン価格表示等実態調査」では県内737カ所のSSのうち、価格表示の看板がない割合が18.9%に達し、比較対象の埼玉県(6.0%)や愛知県(14.0%)に比べて高い。消費者に分かりやすい表示の普及に向け、県は価格表示に関するガイドラインの作成を検討する。

県は県商工会議所連合会や資源エネルギー庁なども参加する「ガソリン価格の適正化等に関する検討会」を25年3月に立ち上げた。1つの市町村に給油所が3カ所以下の「SS過疎地」への支援策の検討や、ガソリン価格適正化に向けて県内外のガソリンスタンドの価格表示方法の調査を進めている。

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