=ロイター

【ヒューストン=赤木俊介】データ解析ソフトの米パランティア・テクノロジーズが2日発表した2025年10〜12月期決算は売上高が前年同期比70%増の14億680万ドル(およそ2190億円)、純利益が同7.7倍の6億868万ドルだった。軍備増強などトランプ米政権の優先事項と合致する需要を取り込み、官民双方で売り上げを伸ばしている。

パランティアは政府や企業が集める様々なデータを集約・解析し、意思決定の補助や業務効率化を図るソフトを提供する。パランティア株は決算を受けて時間外取引で2日の終値(およそ148ドル)から急騰した。

米市場では26年に入り、人工知能(AI)相場の過熱感への警戒から米ハイテク株が伸び悩んでいる。パランティア株は25年11月3日に過去最高の207ドルにつけたが、26年2月2日の終値は年初来で約12%下げていた。

25年10〜12月期の米政府向けの売上高は前年同期比66%増の5億7000万ドル、米企業向けは同137%増の5億700万ドルだった。10〜12月期は米国での売り上げが全体の76%を占めた。直近では民間企業との契約が成長の源泉となっている。

AIブームを受け、他企業との連携も積極的に進めている。25年12月にはデータセンター需要を見越した米電力インフラの強化に向け、米電力大手と半導体大手の米エヌビディアと協力し電力網を管理するソフトウエアを開発すると発表した。

主力の官需にも伸びしろがある。米財務省によると、パランティアとの契約額は25会計年度(24年10月〜25年9月)に計10億ドルを超えた。過去最高だった前会計年度の2倍近くに達した。

アレックス・カープ最高経営責任者(CEO)は2日の決算会見で「我々の兵器ソフトウエアは(米軍が直面する)ほぼすべての戦闘状況で利用されている」と述べた。

米政府機関や米軍を顧客に持つパランティアにとって第2次トランプ政権の発足は追い風となっている。政権は不法移民の摘発強化と米軍の近代化に向けAIなどハイテク技術の導入を目指しており、連邦議会に対し国防費の大幅増額を要求した。不法移民の摘発強化に向けた大型予算も確保した。

パランティアは不法移民摘発を担う米国土安全保障省(DHS)にサービスを提供する。米報道によると、DHS傘下の米移民・税関捜査局(ICE)は連邦政府のデータベースを参照し、不法移民が多い地域を特定するパランティアのアプリを利用している。

米海軍は25年12月、原子力潜水艦などの生産加速に向け、米国内の造船所でパランティアのAIソフトを導入すると発表。最大4億4800万ドルの契約を結んだ。米国防総省のヘグセス長官は26年1月の覚書で「AIファースト」の戦略を打ち出し、国防総省の幹部に対し米AI企業との連携強化を命じた。

同社は26年1~3月期の売上高の見通しを15億ドルとした。S&PキャピタルIQの集計では市場コンセンサスが同13億ドルとなっている。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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