
エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)は4日、渡辺学常務執行役員(57)が子会社の関西フードマーケット社長に就くと発表した。記者会見で渡辺氏は「ITや外部の知見を生かし、無駄なコストを省いた経営をめざす」と述べた。関西ではオーケーなどディスカウントスーパーが攻勢をかける。低価格に加え消費者ニーズをつかんだ店づくりで対抗する。
H2Oの食品スーパー事業の組織再編に合わせて人事を刷新する。現行の関西フードマーケットはイズミヤ・阪急オアシスと関西スーパーマーケットの2社の中間持ち株会社だが、4月1日付でこの2社を統合した新生「関西フードマーケット」を設立し、経営機能を移管する。渡辺氏はこの新会社の社長となる。
会長に就く林克弘社長(68)は「地域の需要に沿った新たな店舗モデルの確立に道筋をつけた。出店を加速するにあたり、新たな経営体制で取り組む」と話した。H2Oは首都圏を地盤とするオーケーとの争奪戦を経て関西スーパーを買収した。林氏は人事制度や仕入れ業務などの統合作業を担ったが、一定の成果がでてきたとして店舗拡大の成長フェーズに入る。
渡辺氏は三洋電機(現パナソニックホールディングス)出身で、サイバー防衛システム開発会社の副社長などを経て19年にH2Oに入社した。経営管理やM&A(合併・買収)を経験してきたが「ITやデジタルにも多少の知見はある」として物流効率化や働き方の改善に意欲を示した。
関西で自前の店舗展開に舵(かじ)を切ったオーケーは24年末に大阪府東大阪市に1号店を出した。今年1月には初の大阪市内の店舗を城東区にオープンしたばかりだ。ディスカウント業態のスーパーでは同じ首都圏発のロピアも関西で勢力を広げている。

渡辺氏は「スーパーを街の皆さんの寄り合う場所にしたい」と強調する。低価格を前面に出した新店で新興勢に対抗する一方、関西各地の地域性を熟知する強みを生かして品質重視の店舗も増やしていく方針だ。
H2Oが同日発表した2025年4〜12月期の連結決算は純利益が前年同期比23%減の289億円だった。百貨店事業でインバウンド(訪日外国人)向けが振るわなかった。
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