
水産加工の北三陸ファクトリー(岩手県洋野町)は5日、同町に建設したウニの陸上養殖施設の落成式を開いた。同社が「ウニバース(UNI-VERSE)システム」と呼ぶ世界初のウニ再生養殖システムを備えた施設の1棟目だ。
施設名は「ウニバース・サイト・ヒロノ」。完成した実証実験棟は水量3.5トンの半循環式水槽を10基備える。1基で1000個体以上のウニを収容できるという。身入りの悪い痩せた天然ウニを集め、将来は陸上養殖全体で年間200トン(殻付き)のウニを出荷する。
陸上養殖は通年で出荷できるのが強みだ。水産業の持続可能性と食品のトレーサビリティー(履歴の追跡)にも対応できる。同棟ではウニの適切な育成環境と管理手順の確立を目指す。餌は同社が開発した専用の配合飼料を与え、陸上養殖のノウハウを積み上げる。

非破壊検査装置を持ち込み可食部の量を測るなど実証実験の成果を、2026年度以降に隣接地に建てる新棟に生かす。複数の棟で本格的な陸上養殖を始めることで大規模化による生産性向上とコスト低減を進める。
ウニは高級日本食として海外で人気が高まっており、同社は陸上養殖物の輸出を視野に入れる。農林水産省の中小企業イノベーション創出推進事業に採択された事業で、設備や研究開発に数億円を投じている。

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