業務システム開発の失敗で巨額の損失を出し、任期途中で来月辞任する全国農業協同組合中央会(JA全中)の山野徹会長(70)が5日、最後の定例記者会見に臨んだ。
約2年半の在任期間中にコメ不足から起きた「令和の米騒動」に触れ、「コメの価格が国民的議論になった」と回顧。今後のコメの生産方針については、「引き続き『需要に応じた生産』にJAグループとして取り組む」と強調した。
増産へとかじを切った石破茂前政権の方針を見直し、需要がなければ減産を促す「需要に応じた生産」に回帰した高市政権のコメ政策を支持する考えを改めて示した形だ。「生産者と消費者の双方が納得できる価格が重要」とも述べた。
JA全中を巡っては、2024年1月に運用を開始した業務管理の新システムで、当初の想定を大幅に上回る運用コストが判明。200億円規模の損失が発生した。そのため入居する東京・大手町の「JAビル」所有フロアの売却を検討している。
山野氏は23年8月に会長に就任。26年8月に任期満了を迎える予定だったが、25年8月に辞意を表明した。事実上の引責辞任とみられる。
後任はJA長野中央会会長の神農佳人(しんのうよしと)氏(68)が内定しており、来月6日の臨時総会で就任する予定。【中津川甫】
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