8日投開票の衆院選で注目される消費減税を巡り、一部の野党が、日銀の保有する上場投資信託(ETF)の運用益や売却益を代替財源にすると主張している。ただいずれもハードルは高く、実現は見通せない。
ETFは東証株価指数(TOPIX)などに連動する投資信託。食料品の消費税率を恒久的にゼロ%にすると公約に掲げる中道改革連合は、年5兆円の減収分に新設する政府系ファンドの運用益を充てる考えだ。運用する金融商品の一つにETFを想定し、赤字国債は発行しないとする。
経済が回復するまで消費税を一律5%に引き下げると主張する国民民主党も、年15兆円の減収分を、ETFの運用益などありとあらゆる財源で補うという。
日銀は2025年9月末時点で簿価37兆円(時価約83兆円)、評価益46兆円のETFを保有するが、金融の正常化に向けて、26年1月にこのうち約53億円分を初めて売却した。
日銀は株式市場の混乱を避けるために年3300億円程度(簿価、市場全体の売買代金に占める割合は0・05%程度)に抑えて売却する計画だ。完了まで100年以上かかる計算で、消費減税分の穴をすぐに埋められる規模ではない。政府関係者は「日銀は金融政策として売却額を決めており、政府がETFを売れと指示できない。政府が日銀からETFを引き取るにしても対価が必要で、結局は国債が必要になる」という。
飲食料品の消費税を2年限定でゼロ%にすると主張する自民党と日本維新の会も、財源確保策は煮詰まっていない。赤字国債に頼らず、補助金や企業向け減税である租税特別措置の見直し、税外収入などで捻出するとしているが、十分な財源を得られるかは不透明だ。【古屋敷尚子、井口彩、加藤結花】
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