ENEOSホールディングスは2025年5月に堺製油所(堺市)で社員1人が死亡した事故について事故調査委員会の報告書を公表した。配管から危険な硫化水素ガスが漏れて協力会社の作業員が倒れ、助けに行った社員が亡くなった。マスクをせずに高濃度のガスを吸い込んだ。確認不足や判断ミスが重なった結果で、再発防止に努めるという。

9日までにホームページの「お知らせ」欄に掲載した。ENEOSは同社役員や外部の有識者で構成する事故調査委員会を25年6月に立ち上げ、原因の究明や再発防止策の検討を進めてきた。

報告書によると、製油所の配管が詰まっていたことで、通常は通らない場所に硫化水素ガスを流していた。バルブの締め忘れが重なってガスが漏れた。協力会社の社員2人がガスを吸って倒れ、それを見た社員が助けに向かった。

社員は有毒ガスから身を守るための保護マスクを着けなかった。硫化水素ガスは高濃度になるほど、鼻で感知するのが難しくなる。においで気づかないまま高濃度のガスを吸い込んだ。確認不足や判断ミスが重なった結果で、人手不足や時間に追われるプレッシャーがあったわけではないと結論づけた。

緊急時に感覚に頼らない教育を徹底するほか、複数人によるチェックで作業時の安全を確保するなどして再発を防ぐ。配管を詰まらせないよう、設備を改造したり点検したりする。

報告書を受けてENEOSは「決してこのような事故を繰り返すことがないよう、再発防止策を確実に実行し、全社を挙げて安全・安定操業に努めていく」とコメントした。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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