山県有朋の庭園をDOWAホールディングス創業家2代目が受け継ぎ藤田観光に渡ったホテル椿山荘東京(東京・文京)

DOWAホールディングスは10日、同日付で持ち分法適用会社の藤田観光の株を31.83%から6.83%に減らしたと発表した。創業家の資産管理を通じた縁から同社はこれまで藤田観光の筆頭株主だったが、今回の株式売却により藤田観光はDOWAの持ち分法適用会社からも外れる。売却額は389億9200万円で、売却益は株主還元などに充てる。

藤田観光株の売却先は日本産業推進機構グループ(東京・港、NSSK)のファンドだ。NSSKはホテルやレジャーの分野を最重点投資領域としており、ビジネスホテルチェーンの「キャッスルイン」や鴨川グランドホテル(千葉県鴨川市)などに投資してきた実績を持つ。DOWAからの株式取得を機に藤田観光と資本業務提携した。

藤田観光はDOWA創業者の藤田伝三郎ら一族の邸宅や庭園などの管理・運営を担っていたグループ会社から分離・独立し1955年に設立された。明治の元老・山県有朋ゆかりのホテル椿山荘東京(東京・文京)も創業家2代目を経て藤田観光の手に渡った。

DOWAは株式を保有してはいたが、藤田観光とのシナジー(相乗効果)は乏しかった。DOWAは2028年3月期を最終年度とする中期経営計画のなかで「保有する上場会社株式を2030年度までに50%削減」するとしていた。

中計の3年間で2500億円のキャッシュ獲得を目指す一部とする。キャッシュは事業への投資や株主還元に充てる。10日には100億円を上限とする自社株買いや、26年3月期の年間配当金218円に特別配当100円を加えることも発表した。

DOWAは同日、福田健作執行役員(59)が社長に昇格する人事も発表した。関口明社長最高経営責任者(CEO、65)は代表権のある会長CEOとなる。

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藤田観光はホテル椿山荘東京やワシントンホテルなど国内外46の宿泊施設のほか、温泉テーマパーク「箱根小涌園ユネッサン」(神奈川県箱根町)などのレジャー施設やレストランを運営する。訪日需要の追い風やホテル単価の上昇により、24年12月期の連結決算は純利益91億円と過去最高水準だった。

これまでは自社の部署が開発事業を担っていたが、今回のNSSKとの資本業務提携で不動産開発やホテルオペレーターの取得などを強化する。藤田観光は「社外とのアライアンスも含めて取り組むことがスピード感とスケール感の両面からより効果的」と説明しており、新規出店や事業拡大に弾みをつけたい考えだ。

(茂野新太、田辺アリンソヴグラン)

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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