バレンタイン商戦が大詰めだ。百貨店やホテルなどには多種多様なチョコレートや近年人気のサブレなどがズラリと並ぶ。一方でチョコレート職人や百貨店のバイヤーたちの悩みの種は原料のカカオ豆の供給不足と高止まりだ。そうした中でカカオに代わる食材を利用したり、主産地の西アフリカ産以外のカカオを使ったりしたチョコレートも登場している。
干ばつや病害が影響
大手百貨店の高島屋や松屋銀座などによると、チョコレートの原料のカカオは、2023年下半期ごろから価格が急激に上がり、それが続いている。主産地のコートジボワールやガーナなど西アフリカ地域の干ばつや病害などによる不作が影響しているという。
さらに追い打ちをかけているのが円安基調だ。カカオはほぼすべてが輸入に頼っているため、調達コストも増加している。
ただ価格への転嫁となると「手に取ってもらえる3000円程度まで」と考えるチョコレート職人は多いとされ、ただちに大幅な値上げには踏み切れないらしい。
食感も味わいも「ショコラ」そのもの
そうした中で着目されているのが「代替カカオ」と呼ばれる新素材だ。業務用チョコレートを製造する「不二製油」(大阪府泉佐野市)は25年にノンカカオの製菓素材を開発した。豆科の植物であるキャロブやエンドウ豆、植物油脂などが原料で、ミルクチョコレートやコーヒーのような風味も感じる。加工した商品の見た目もチョコレートそのものだ。実際に職人のほか、大阪・関西万博で来場者に試食してもらったところ、好評だったという。
高島屋では、この新素材を使った4種を「カカオレス」スイーツとして発売。トシ・ヨロイヅカの「トリュフ アノザ ヴァニーユ&ジャンドゥーヤ」(2800円)は新素材の風味を生かしたミルクとヘーゼルナッツの味わいのトリュフ。口の中でとろける食感も味わいも「ショコラ」そのものだ。
「マイナー」産地にも注目
一方でベトナムやサモアなどカカオの「マイナー」な産地ながらも、その産地の特色をアピールしたチョコレートも注目されている。沖縄産カカオを使ったチョコレートも登場した。
松屋銀座で「OKINAWA CACAO Bean to bar」(3240円)を発売する川合径さんは、16年4月からベトナムで仕入れたカカオを栽培し、昨年初めて商品化した。現状では約10キロの収穫だが「将来的には2トンの生産を目指すが、カカオの栽培技術を気候変動の時代に生かせれば」とその先を見据える。
松屋銀座の調査では、「チョコレートは誰に買うか」との問いに65%が「自分のため」と回答。近年はその傾向が強く、予算額では1万円を超え、恋人など「本命」への約2倍だという。一方で「義理チョコ」は縮小傾向にあるという。【米江貴史】
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