
PwCジャパングループの調査で、企業の最高財務責任者(CFO)の税務経験が不足していることが分かった。国内の上場企業や大手企業のCFOへの意識調査では、税務の実務経験があるのは28%にすぎなかった。税務は専門性が高く、マネジメント側のキャリアを歩む人が少ないことなどが背景にある。また、事業構造を見直す上でM&A(合併・買収)に取り組みたいとの回答も68%あった。
2025年9〜10月、国内の上場企業・大手企業のCFOや財務・経理責任者を対象にウェブアンケートを通じて調査した。141社から回答があった。
これまでの経験については財務が82%、予算・経営管理が81%だった。税務は掌握範囲との回答は93%あったものの、税務の経験は54%、税務業務の実務が28%と小さかった。PwC税理士法人の塩田英樹パートナーは「税務経験者は専門人材として組織に残る人が多い。日本の税務組織は守りのスタンスが求められる傾向にあり『キャッシュ創出機能』になりえる税務領域が戦略的に活用しきれていない可能性がある」と指摘した。
インフレ時代に重視する対応では「資本効率の向上」が57%、「迅速な価格転嫁」が55%を占めた。次いで48%が「事業ポートフォリオの見直し」を選び、今後取り組みたいこととしてはM&Aが68%あった。
過去10年のM&Aについて「期待した成果が実現できなかった」と答えた企業32社(全体の23%)に理由を尋ねると、買収後のPMI(統合作業)の「計画策定・推進などが滞った」が56%と最も多かった。次いで「PMIのリーダーが不在だった、リーダーのスキルが不十分だった」が41%だった。
前年調査では「デューデリジェンス(資産査定)を通じて対象会社の実力を測りきれていなかった」が半数を占め、最も多かったが、今年は31%にとどまった。「M&Aの成否を分けるものとして、後工程であるPMIが重視されるようになってきている」(PwCアドバイザリーの山口雄司パートナー)という。
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