マイナビは勤務時間外の業務連絡についての実態調査を発表した。20〜50代の正社員の6割超が時間外の連絡に拒否感を示していることがわかった。勤務時間外の業務連絡に応じる義務を持たない「つながらない権利」に関するガイドラインの策定に着手していない企業は4割に上り、企業側の対応の遅れが浮き彫りになった。

調査は2025年12月に、25年に転職を経験した20〜50代の正社員と、企業の人事担当者に対してインターネットを通じて実施した。正社員の有効回答数は1446件、人事担当者は1500件。

上司や部下がいる20〜50代の正社員のうち、「社内の人から勤務時間外に業務連絡がくることがある」と回答した人は70%だった。役職別では部長職が90%と最も高く、非管理職は56%にとどまった。社内の人へ時間外に連絡をすることがある人も70%いた。

勤務時間外の連絡を拒否したいか尋ねたところ、「とてもそう思う」「まあそう思う」が計64%に達した。年代別では20代が68%で最も多く、40代(65%)、30代(64%)が次いだ。50代は53%と他年代より低く、年代によって時間外の連絡に対する拒否感に差が見られた。

勤務時間外の連絡は、仕事内容や企業の特性によって捉え方に差がある。時間外の連絡について率直な気持ちを尋ねたところ、「通知を気にして心身ともに十分に休めていないと感じる」などの拒否感を示すコメントがあった。

一方で「ある程度仕方ない面もあり、逆に自分が連絡しなければいけない立場の時もあるのでお互いさま」「業務上仕方ない」という許容の声もあった。

企業の人事担当者に対して、自社での勤務時間外の連絡の発生有無を尋ねると、「頻繁に発生している」「定期的に発生している」という高頻度が計34%だった。高頻度の発生割合は上場企業が計39%と高く、未上場を10ポイント上回った。

労働基準法改正の議論で検討されている「つながらない権利」に関するガイドラインの策定状況については、「なにもしていない」「対応を検討中」と計42%が未着手と答えた。

マイナビキャリアリサーチラボの関根貴広主任研究員は「勤務時間外の業務連絡による心理的プレッシャーは、休息の質の低下など生産性や協働関係にも影響する可能性がある」と指摘する。その上で「企業は緊急度の定義や翌営業日対応を原則とする『返信期待のルール』を明確化し、必要な連絡を適切なタイミングや手段でとるための合意と仕組みを整えることが有効だ」と述べる。

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