【ロンドン=南畑竜太】英国の会計基準や監査品質を定める財務報告評議会(FRC)は16日、中国企業が英国で上場する際、中国の監査基準を一時的に使えるようにする基準改正を検討していると発表した。英国は上場企業数の減少などで資本市場としての国際的地位が低下しており、中国企業の誘致を進めたい考えだ。

中国を対象に、外国企業が英国で上場する際の監査基準のルール改正について協議していると発表した。

中国企業が英国でグローバル預託証券(GDR)などを上場する場合、現在は監査人が英国の監査基準かそれと同等の基準に適合していることが求められている。改正案では中国の監査基準を一定期間、使うことを認める方針。実現すれば上場のハードルが低くなる。

対象となるのは、英中間でGDRの相互上場ができる「上海・ロンドン・ストックコネクト制度」に登録された中国企業だ。同制度は2019年にロンドン証券取引所と上海証券取引所の間で始まり、その後深セン証券取引所にも対象を拡大している。

改正後も投資家保護の観点から、中国企業の監査を担った監査人は英当局の登録と監督を受ける必要があり、監査基準に関する開示も必要になる見通し。

FRCは改正案に関する声明文で、「英国経済の成長を促進し、ロンドンの国際市場における競争力を強化する政府目標を支援する目的だ」と強調した。1月末に訪中したスターマー英首相が李強(リー・チャン)首相と会談し、金融監督や金融市場の相互接続などについて協力を確認していた。

ここ数年、ロンドン証券取引所は新規株式公開(IPO)の不振が続いている。25年の本則市場へのIPO(市場変更を除く)はわずか9件と2年連続の1桁台にとどまった。有望企業の米証券取引所への上場やプライベートエクイティ(PE)ファンドよる買収が増加しており、上場企業数も減少している。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。