
2024年9月と25年3月に起きた東北新幹線の連結分離トラブルで、JR東日本が、誤った電気信号を送ったと推定する制御装置の基板を耐用年数の10年間を超えて使用していたことが22日、関係者への取材で分かった。メーカー側が2回目の分離直後、劣化の可能性をJR東に指摘していた。
この基板は既に使用していない。ただ関係者によると、今も同型の基板を搭載して運行する車両があり、中には不具合が起きた際に「修繕不能」とされる基板も含まれる。JR東は交換用の新品の購入を進めている。
JR東は事実関係について「調査中のため、回答は差し控える。電子部品の故障なども含め、あらゆる観点から調査を深度化する」と回答した。
JR東は25年12月、連結器を動かす電磁弁に基板が誤った電気信号を送ったとみられると発表し、走行中に電磁弁の回路を遮断するなどの防止策を打ち出した。25年3月の分離について、事故につながりかねない重大インシデントと認定する運輸安全委員会は、連結器のレバーが不規則に分離動作を繰り返したとの調査経過報告を今月19日に公表。調査を続けている。
関係者によると、この基板は遅くとも13年までに製造された。メーカー側はJR東から連結分離に関する見解を尋ねられ、劣化などが原因で「過電圧や過電流による故障もあり得る」との趣旨を回答。耐用年数超えも指摘した。別の関係者は取材に「適切な使用を前提に設計された。トラブルは残念だ」と話した。
東北新幹線ははやぶさのE5系、こまちのE6系の車両を連結して走る。基板は各連結車両に搭載される。誤作動が疑われるのはE6系のもの。JR東は当初、最初の分離の原因は電気系統への金属片混入とみて基板には問題がないと判断。基板を25年1月に別の車両に移し替えたが、約2カ月後に連結が分離した。最初のトラブルが起きた24年9月までの定期検査では、基板に異常はなかった。〔共同〕
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