ストライプのジョン・コリソン社長兼共同創業者(2025年、米サンフランシスコ)

【シリコンバレー=清水孝輔】米オンライン決済大手のストライプは24日、企業価値の評価額が1590億ドル(約24兆8000億円)に達したと発表した。米ブルームバーグ通信は同日、ストライプが米決済大手ペイパル・ホールディングスの少なくとも一部の買収を検討していると報じた。

外部投資家とストライプが従業員から株式を買い取るため、企業価値の評価額を決めた。同社は2021年に評価額が950億ドルに達した後、景気減速不安などで23年に500億ドルまで落ち込んでいた。一時の低迷期を脱し、再び評価額が膨らんでいる。

ストライプは自社システムの決済総額が25年に1兆9000億ドルと前年比で34%増えたと明らかにした。顧客である人工知能(AI)企業のサービスが普及したことで、決済の取引額の増加に寄与した。こうした点が評価額の上昇につながったとみられる。

ブルームバーグ通信は24日、ストライプがペイパルの全体または一部資産の買収に関心を示していると伝えた。検討は初期段階で、合意に至らない可能性もあるという。ペイパルの株価は同日、米株式市場で前日終値に比べ一時約7%高をつけた。

ストライプは長らく新規株式公開(IPO)の可能性が取り沙汰されてきた。同社のジョン・コリソン社長兼共同創業者は日本経済新聞などの取材に対し、「利益が出ており、急いで上場して市場から資金を調達する必要はない」と述べた。上場の検討よりもサービス開発を優先する考えを示した。

ストライプは多くのソフトウエア企業を顧客として抱える。株式市場ではAIが業務ソフトの事業モデルを崩す「SaaSの死」への警戒が広がる。コリソン氏は「SaaS企業の成長は非常に力強い」と述べ、足元の株価の下落と実際の企業業績は連動していないと指摘した。

コリソン氏は株価が下落したSaaS企業について「AIとの関連が不明確な企業もある」と話した。「株式市場の反応は不安定に思える」と述べた。一方でAIが将来的にソフトウエア企業のサービスを代替する可能性については直接的な言及を避けた。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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