大手証券3社による主要企業の2026年度の業績見通しが19日、出そろった。2026年度の経常利益は25年度比で6〜10%増を見込む。円安が追い風となる自動車や生成AI(人工知能)向けの需要が堅調な電機・精密などの製造業がけん引する。予想には中東情勢の影響は十分に織り込まれてなく、原油価格の高騰などが続けば下振れする可能性がある。

野村証券、大和証券、SMBC日興証券が自社アナリストによる企業の業績予想を集計した。主要企業(金融除く)の26年度の経常利益は野村が9.6%増、大和が6.3%増、SMBC日興が9.7%増を見込む。集計対象は野村が金融除く219社、大和が同200社、SMBC日興が同223社。前回予想との比較では野村と日興が上方修正した。
業績予想の前提となる為替レートは、野村と大和が1ドル=155円と前回予想から5円円安に見直した。日興は1ドル=150円の見通しを据え置いた。為替相場は足元で1ドル=159円前後で推移する。野村の元村正樹シニア・エクイティ・ストラテジストは「5円の円安で経常利益を1.5〜2%の押し上げる効果がある」と分析する。

業種別では自動車を中心に製造業がけん引する。野村は19.2%増、大和が12.4%増、SMBC日興が輸送用機器で14.4%増を見込む。円安効果に加えてトランプ米政権による関税影響の軽減や販売台数の増加などを織り込んだ。
AIや半導体関連は、データセンター向け需要などの増加などで好調が続く見通しだ。大和は電機で16.0%増、精密で20.1%増、日興は電気機器で19.5%増を見込む。大和の阿部健児チーフストラテジストは「26年度、27年度も減速せず、需要は堅調に伸びていてく」との見方を示した。
一方、通信は野村は49.2%減、大和は46.5%減に落ち込む。25年度に利益規模の大きなソフトバンクグループが出資先の米オープンAIの評価額上昇で利益を押し上げたことなどが影響し、26年度はその反動が出る。
今回のアナリスト予想の多くは米国・イスラエルとイランの軍事衝突前に見積もったものだ。3社の国際原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の前提は1バレル=60〜70ドルでみているが、先物価格は100ドル前後にまで上昇している。野村の元村氏は「原油価格が10%上昇すると主要企業の経常利益は1%のマイナス影響となる。電力や運輸、航空などで影響が大きい」とみる。
中東情勢の先行きは見通しにくいものの、長期化しなければ企業業績への大きな打撃は避けられそうだ。大和の阿部氏は「2月28日の攻撃開始から2カ月以内で収まれば、石油備蓄の活用で大きな影響は受けにくい」と話す。SMBC日興の安田光チーフ株式ストラテジストは「中東情勢悪化と同時に円安が進行することで業績の大幅な落ち込みは想定されない」との見立てだ。
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