
石油元売り各社で構成する石油連盟の木藤俊一会長(出光興産会長)は23日の記者会見で、米アラスカ産の原油を中長期的に安定して調達する必要があるとの認識を示した。イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖を「中東以外に調達先を広げる契機にする」と語った。
日本は輸入する原油の9割以上を中東に依存する。ホルムズ海峡封鎖で元売り各社は調達が難しくなった。中東以外からの仕入れが急務となっており、ENEOSホールディングス、出光興産、コスモエネルギーホールディングス、太陽石油の元売り各社は米国などからの調達を模索し始めた。
米国ではアラスカ州からの調達が選択肢となる。19日の日米首脳会談では、アラスカを念頭に米国産原油を増産するためのインフラ整備について協力することで合意した。木藤会長は「コストや時間をかけてでも(代替調達先として)確保すべきだ」と説明した。
日本は足元でアラスカの原油を使っておらず、製油所で使うには精製時の技術面で課題がある。アラスカの原油は「金属成分が多く除去が難しい」(木藤会長)。大規模に使うには金属の除去装置が必要になるという。15日ほどと中東より早く日本に届くメリットもあり、元売り各社は協議次第で製油所への設備投資を検討する。
ロシアによるウクライナ侵略を受けてロシア産原油の輸入を22年にやめたこともあり、日本は原油輸入に占める中東の比率を段階的に高めてきた。重くて硫黄分が多い中東の原油に合わせて製油所を改造してきたほか、安さや供給の安定性を魅力とみて依存を深めてきた。
木藤会長は「世界のエネルギー危機につながることから、ホルムズ海峡の封鎖は想定していなかった。調達を多様化・多角化するきっかけにしたい」と強調した。ただ「中東産をゼロにするのは不可能だ」と指摘した。
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