イチゴの栽培をデータで管理する早崎剛史さん(千葉県野田市)

栽培はおやじの背中を見て覚える――。農業の世界にそんな言葉があります。父親のやり方をそばで見ながら、時間をかけて作物の育て方を身につけることを意味します。でも農家の出身でなければそれでは技術を習得できません。

千葉県野田市のイチゴ農家の早崎剛史さんは、他の仕事をやめて農業の世界に飛び込みました。栽培ハウスの中で温度や湿度、二酸化炭素や肥料の量などをシステムで制御し、イチゴが最もうまく育つ技術を追求しています。

重視しているのは「再現性」。生育状況をデータで管理する中で「従来言われていた方法は正解ではないかもしれない」と疑問を持つようになりました。「(生育の)天井はもっと上にあるのでないか」と考えるようになったのです。

新たにイチゴの栽培を始める人の研修にも力を入れています。生育状況を人工知能(AI)に読み込ませてリポートを作成させ、データを共有しながらノウハウを伝えます。「おやじの背中」とは対極の発想といえるでしょう。

目指すのはイチゴ農家のグループをつくること。ラジオNIKKEIの「農(アグリ)のミライ」に出演し、「AIがあるのでグループ化を考えることができた。研修生の教育にフル活用している」と語りました。ポッドキャストで配信中です。

ラジオNIKKEI「農(アグリ)のミライ」は、農業や食をめぐる未来志向の取り組みを深掘りする番組です。番組サイトはこちらからアクセスできます。 https://www.radionikkei.jp/agri/
  • 著者 : 吉田 忠則
  • 出版 : 日本経済新聞出版
  • 価格 : 1,980円(税込み)
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    吉田忠則(よしだ・ただのり)
    農政から先進農家、スマート農業、植物工場、さらにカリスマシェフや外食チェーンなど「食と農」に関するテーマを幅広く取材してきた。著書に「見えざる隣人」「農は甦る」「コメをやめる勇気」「農業崩壊」。中国の駐在経験も。X(旧Twitter)は@nikkei_yoshida

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