【ニューヨーク=内山瑞貴】米東部ニューヨークのラガーディア空港で22日夜、エア・カナダ・エクスプレス機が着陸時に地上の消防車と衝突し、パイロット2人が死亡、41人が病院搬送された。空港が一時閉鎖し、欠航が相次ぐなど混乱が広がった。専門家は慢性的な航空管制官不足が背景にあると指摘している。
空港を運営するニューヨーク・ニュージャージー港湾局によると、モントリオール発のエア・カナダ・エクスプレス機が着陸時に地上の消防車と衝突し、操縦士と副操縦士の2人が死亡した。41人が病院に搬送された。うち39人は航空機の乗員、2人は消防車に乗っていた消防隊員だった。
運行会社のジャズ・アビエーションによると、乗客72人と乗務員4人が搭乗していた。
混雑する空港「慢性的な人手不足で負荷」
ロイター通信によると、消防車は別のユナイテッド航空機の機内の異臭に対応するために滑走路に進入していたとみられる。管制音声では、消防車に滑走路横断の許可が出た後、管制官が「止まれ、止まれ」と制止しようとしており、衝突後、管制官が「ミスをしてしまった」と話す様子が記録されている。
米国家運輸安全委員会(NTSB)と米連邦航空局(FAA)が、管制官からの指示内容や現場での連携に問題がなかったかを含め、詳しい経緯を調べている。
専門家は、米航空システムが抱える人員不足の問題を指摘する。米ロチェスター大学のデイビッド・プリモ教授は「航空管制システムは慢性的な人手不足により大きな負荷がかかっており、特に混雑する空港でその傾向が顕著だ」と指摘する。
港湾局によると、ラガーディア空港の2025年の利用者数は3280万人と、国内で最も利用者の多い空港の一つで、ニューヨーク都市圏の主要空港の一角を占める。
空港は一部再開も590便欠航
ラガーディア空港は午後2時まで閉鎖し、2時8分に滑走路1本が再開された。フライト追跡サイトのフライトアウェアによると、正午点で同空港では590便が欠航となっている。
混乱に拍車をかけているのが、米政府機関の一部閉鎖に伴う空港保安要員の不足だ。米国土安全保障省(DHS)によると、2月に政府機関閉鎖が始まって以来、給与の滞りが増えたことで欠勤率が上昇し、少なくとも366人の保安職員が辞職した。春休みの旅行需要が重なるなか、各地で3時間以上の保安検査の長蛇の列ができている。
トランプ政権は人手不足への対応として、移民税関捜査局(ICE)職員の空港派遣を進めているが、対応は行列整理などに限られ、専門性を要する業務の代替にはなっていない。
カナダのマギル大学のカール・モア教授は「管制官不足は長年の問題で、最近の政府支出削減が状況を悪化させた可能性がある」と述べた。
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