東京ガスの笹山晋一社長(25日、東京都港区)

東京ガスの笹山晋一社長は24日、自社で海外から調達する液化天然ガス(LNG)について「余剰分を供給して(他社の)需給を助けることはある」と語った。市場価格での融通を想定する。イラン軍事衝突でカタール産LNGが輸入できなくなっているJERAや東北電力、関西電力などの事業者にとっての代替調達先の選択肢となる。

同日、東京都内で開いた記者会見で話した。同社はLNG調達の9割超を長期の契約で固めている。ペルシャ湾岸諸国との長期契約はない。海外での自社調達分のうち、2024年度は約1100万トンを国内に輸入し、約400万トンを海外などで転売した。暖房需要がない季節にはLNGが余ることがあり、転売して収益を確保している。

笹山社長は「常にLNGを融通できるほど余っているわけではないが、状況を見ながら融通することはある」と話した。ロシアのウクライナ侵略直後などに自社調達のLNGを他社に融通した実績があるという。

一方、大阪ガスの藤原正隆社長は24日、「当社は長期契約での調達がほとんどで、ホルムズ海峡を通るLNGも現時点で直接調達していない」と話した。東京都内で日本経済新聞などの取材に答えた。

同社では既に余剰分の売り先は決まっており、カタール産LNGの代替を求める企業に販売することは難しいという。企画担当の矢野匡執行役員は「約束した顧客にしっかり供給することが基本になる」と説明した。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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