サカナAIがAI技術を使って生成した論文

スタートアップのサカナAI(東京・港)が開発した自動で科学論文を作成するシステムが、国際学会で採択される水準の論文を作成できることが分かった。一連の成果をまとめた報告が英科学誌「ネイチャー」に掲載された。今後はAIによる研究で画期的な成果が得られるかが焦点になる。

サカナAIが開発した「AIサイエンティスト」というシステムは、仮説の発案や実験の設計、論文の執筆など研究に必要な業務を自動で担う。今回、このシステムを使って、AI技術の改良手法を検証した論文を作成し、AI分野の著名な国際学会「ICLR 2025」のワークショップ向けに投稿した。

ワークショップはアイデア段階や研究初期の論文を受け付け、投稿されたうちの7割程度が採択される。サカナAIの論文は複数の人間の研究者による評価で、採択される水準の点数を獲得した。研究を主導したサカナAIの山田祐太朗リサーチサイエンティストは「研究自動化の質を高めて人間の研究者が驚くような成果を上げたい」と話す。

AIの開発事情に詳しい東京科学大学の岡崎直観教授はサカナAIの取り組みについて「AIが論文を書く未来を見せたという意味でインパクトがあった」と話す。その上で「アイデアの正しさを検証しやすい数学やアルゴリズム(計算手法)の研究などはAIを適用しやすく、新たな発見につながるかもしれない」とみる。

自然な文章を生成する大規模言語モデル(LLM)の発展で、科学研究をAIで自動化する期待が高まっている。実験的な試みも実施されており25年、AIが生成した論文をAIによって評価する「学会」がオンラインで開かれた。

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