放出量は国家備蓄全体の2割に相当する(千葉県袖ケ浦市)

経済産業省は26日、国家備蓄石油の放出を始める。放出量は約5300万バレルと、国内消費量の1カ月分に相当する。全国11カ所の備蓄基地から石油元売り企業に引き渡す。中東の海上輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖されるなか、輸入に頼る石油の供給不安に対応する。

16日には元売り各社があらかじめ確保している民間備蓄15日分の放出を始めたのに続く動きとなる。国家備蓄については、26日午前11時に、まず愛媛県今治市にある菊間国家石油備蓄基地で放出を始める。

27日以降、北海道や千葉県、沖縄県などの基地からも順次出していく。政府はENEOS、出光興産、コスモ石油、太陽石油の元売り4社に計5400億円で売却する随意契約を19日に結んだ。ガソリンなどに精製され、国内で流通する。

日本は1973年の第1次オイルショックをきっかけに石油備蓄法を制定した。輸入による供給が減少したときに備え、国が直接所有している石油を国家備蓄と呼ぶ。経産省によると25日時点で146日分あり、今回の放出はためている量の2割にあたる。国家備蓄の放出は2022年、ロシアがウクライナを侵略した際に5日分を売却して以来、今回が2回目となる。

国家備蓄石油は国内に10カ所ある国の基地と、各地で借り上げた民間タンクで管理している。今回放出する11カ所のうち、国の基地は5カ所となる

日本は原油輸入の9割を中東に依存しており、既に日本に到着するタンカーの量は大幅に減っている。産油国の石油会社に日本のタンクを貸し出してためている産油国共同備蓄も5日分放出する方針で、3月中にも開始となる見通しだ。

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