
ツムラや機械商社の山善などは26日、人工知能(AI)でロボットなどを動かす「フィジカルAI」の実用化に向けたコンソーシアムを設立したと発表した。7月には人型ロボットを最大50台設置し、ピッキングや組み立て作業などを学習させる拠点を千葉県に開設する。製造や物流現場の省人化のためフィジカルAIの重要性が高まる中、企業連携で競争力を高める。
コンソーシアムは食品製造機械のレオン自動機などを含む4社で設立した。ほかの企業にも参加を打診しており、まずは10社程度の参加を目標にする。26日の記者会見に登壇したツムラの熊谷昇一執行役員は「以前から人型ロボットで自動化の検討を進めていたところに、山善からの誘いがあり乗らせていただいた」と話した。
「フィジカルAI・ロボットデータ収集センター」は千葉県の沿岸地域に開設する。山善が取り扱う、中国・智元機器人の人型ロボットを設置する。
物流倉庫での商品のピッキングといった作業を、仮想現実(VR)ゴーグルやコントローラーでロボットに実施させる。動作を繰り返してAIに学習させることで、例えば「トレーの中の商品を全て外に出してください」といった簡単な指示だけでロボットが作業できるようになる。

ベルトコンベヤーの配置などが異なる現場環境に対応できるよう、各社が細かな動作を学習させる「秘匿エリア」も設ける。作業内容には機密情報が含まれるため、秘匿エリアには他の企業の社員は立ち入りできないようにする。
人型ロボットは人間が作業することを前提にした製造現場などにもそのまま導入でき、現場の設計変更などの手間が不要なメリットがある。調査会社の富士経済は、人型ロボットの世界市場が2025年の700億円から、35年には3兆5000億円まで成長すると予測する。
山善の中山勝人専任役員は記者会見で「多くの企業が人型ロボットに関心を持っており、26年度内には顧客の現場への試験導入を始めたい」と語った。
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