太陽シートの施工の様子=太陽提供

道路の融雪技術の開発などに取り組む太陽(さいたま市)が首都高速道路(東京・千代田)と共同研究に取り組む発熱シートが、世界への販路拡大に弾みをつけた。両社が執筆した同製品の融雪技術に関する論文が、世界道路協会(PIARC)が開いた国際会議で賞を獲得した。

賞の名称は「PIARC賞(冬季サービス部門)」で、道路分野の発展に寄与する革新的な研究に授与される。受賞を機に、冬場の積雪と向き合ってきた日本発の技術を、欧州など世界各国の高速道路の課題解決につなげる。

発熱シート「TAIYO SHEET_RH(太陽シート)」は、日本の伝統技術である紙すきに着想を得た製品だ。カーボン繊維を均一に分散させた発熱シートを加工し、その上に様々な素材をコーティングすることで完成させる。破れにくく短時間で熱を伝導できる。道路に積もった雪を溶かすことで、事故や渋滞などを防ぐ。

道路に溝を掘った後、溝の中に縦にはめ込む形で施工していく。表面のアスファルトをはがしてとりつける従来の電熱線と比べ、工期やコストを抑えられることも特徴だ。タイヤの轍部分のみを効率よく発熱させることで消費電力も少なくする。製品の改良も続けており、直近では厚みを薄くしたり、より衝撃に強い充塡剤を採用したりしたという。

2019年に首都高との共同研究を開始。首都高速道路の複数の線でのテスト導入を経て、現在は東日本高速道路(NEXCO東日本)など、複数の国内高速道路での導入を進めてきた。太陽はめぶきフィナンシャルグループ(FG)などが主催する「第9回めぶきビジネスアワード」で最優秀賞を受賞した実績もある。

この製品の技術に関する論文が3月上旬、仏・シャンベリーで開催された「第17回冬期道路・防災・脱炭素化世界会議」でPIARC賞を受賞した。同会議は4年に1度開催されるが、国内企業の受賞歴は少ない。各国のインフラ大手も注目する会議で、日本生まれの技術をアピールするきっかけとなった。

太陽の阿部佳介社長は3月上旬の授賞式に出席した=同社提供

同社の阿部佳介社長は今回の受賞を皮切りに、世界的な高速道路維持管理会社に対する製品提案を既に開始している。「今後も道路インフラの安全性向上と脱炭素社会の実現に貢献できるよう技術開発と普及を進めていく」と意気込んだ。

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