東芝、三菱電機とのパワー半導体事業の統合協議について、取材に応じるロームの東克己社長(27日、京都市右京区)

ロームは27日、東芝、三菱電機とのパワー半導体事業の統合に向けた協議について報道陣の取材に応じた。東克己社長は3社の連合について「株主価値の最大化」につながるとの認識を示した。主なやりとりは以下の通り。

――3社での事業の統合協議で基本合意に至った経緯は。

「東芝とロームはずっと協議を続けていた。(レースに例えて)第3コーナー、第4コーナーを回るのが遅いという段階で、三菱電機と統合の話が出てきた。ただ、東芝との協議がまとまらない状況でデンソーから買収提案があった。黒船襲来ではないが、3社の統合に向けた話し合いが早く進んだ」

「ロームとして(創業者の)佐藤研一郎氏から引き継いだ経営の考え方が染みついている。自分たちを貫きたいという思いはある。今回統合という方式のため、『ローム流』をやらせてもらえるという思いでいる。この連合が株主価値を最大化し、デンソー(の買収金額)が1兆3000億円であれば、軽く超えられるとは思っているが、そこは分からない」

――デンソーによる買収提案のメリットとデメリットをどう捉えているか。

「メリットは車載が日本一大きいトヨタグループの傘下で、安定して事業ができることだろう。資金も豊富な企業なので、投資も進むとみている。ディスシナジー(負の相乗効果)もある。取引先から『平時は大丈夫だけど、半導体不足が起こった時に(デンソーを優先するため、他の顧客への供給が)回っていきませんよね。ロームをファーストのサプライヤーとして取引することは難しい。セカンドになります』とよく言われる」

「デンソーは民生と産業機械向けの半導体も注力すると発表しているが、ほとんど購入していないのが現状だ。デンソー傘下になった場合に、ロームの車載向けは大きく成長するが、産業機械や民生向けは減ってしまうだろう。これから車載以外の領域は人工知能(AI)サーバーなどを一番伸ばす必要があるが、同分野でデンソーにロームの半導体を買ってもらえるか心配ではある」

――今後のスケジュールは。

「今年の夏くらいまでには、東芝とロームの統合を進めたい。3社同時に統合するのは難しく、東芝とロームの統合後に三菱電機を統合することになるだろう。3社の統合を並行して進めるのはかなりの労力がかかる」

「全体をどの企業が仕切るかが非常に大事になる。これから協議するが、各社の思いを言い始めると良くない。(破綻した)半導体大手エルピーダメモリと同じ轍は踏まないようにしっかりやりたい」

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