経営統合についての記者会見を終え、握手する(左から)静岡銀行の八木頭取、しずおかFGの柴田社長、名古屋銀行の藤原頭取(27日、東京都千代田区)

地方銀行の再編が加速する。先週だけで3組の地銀連合が決まった。弱者連合ではなく、単独でも生き残れる有力地銀まで動いたのが特徴だ。人口減少という難題を乗り越え、地域経済の先細りを金融面から食い止める使命を確実に果たしてほしい。

全国47都道府県で100行を超えるなど遅々として進んでいなかった地銀の統合・合併がここにきて相次ぐのは、金融庁の「強い地銀」が必要という危機意識と、日銀の政策転換で規模によって収益が増す金利の復活が底流にある。

健全経営を維持し、大手地銀のなかでは本格再編には慎重とみられていたしずおかフィナンシャルグループ(FG)でさえ名古屋銀行との経営統合を決めた。静岡・愛知両県は自動車を軸に日本の主力産業が集まる。金融ノウハウを結集し、地元の下請け中小企業などを支える地域金融機関としての覚悟の具体化が問われる。

群馬銀行と第四北越FG(新潟県)の連合も山岳県境を越える点で異例だ。群馬銀は中堅地銀だが自己資本利益率(ROE)重視の経営で定評がある。取引先はもちろん、株主も大切なステークホルダー(利害関係者)だ。2030年までに「ROE10%超」と掲げた目標を着実に達成してほしい。

地銀再編が進む背景に投資ファンドの存在も見逃せない。その典型が千葉銀行と千葉興業銀行による、ちばFG結成だ。千葉興銀株をファンドが大量保有し、売却先を探していた。新グループは東西で経済格差が大きい千葉県で圧倒的なシェアを握る。

高騰する首都圏の不動産融資に地銀が傾注するようでは危うい。

地域金融機関を取り巻く環境は波乱含みだ。海外の紛争は国内景気にも悪影響を及ぼしかねず、地銀が期待する日銀の順調な金利正常化が続くかも不透明だ。

インフレによる長期金利の上昇(債券価格の下落)も潜在リスク。統合をてこに体力を高め、周到な助言や生き残り策を顧客に提供する。統合目的の本筋のはずだ。

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