まるで本物のような胡蝶蘭のアートフラワー=名張市蔵持町芝出で2026年3月24日午前11時39分、山口敬人撮影

 胡蝶蘭(コチョウラン)と言えば、お祝いごとで贈られる定番の一つ。豪華な美しさが魅力だが、生花だと当然枯れてしまう。そこで注目されるのが、“名張発”のアートフラワー。造花だが、作り込まれた花々はまるで本物のよう。枯れることのない、環境に配慮したサステナブル(持続可能)な贈り物として選ばれることが増えているという。【山口敬人】

 手掛けるのは「エミリオ・ロバ」(本社・東京)の名張センター(三重県名張市蔵持町芝出)。エミリオ・ロバ自体はフランスで生まれたアートフラワーのブランドだが、国内アパレルメーカーの事業部門だった時代も含め、名張での製造の歴史は約40年になる。

 名張センターは面積2744平方メートルで、月平均3800点のアートフラワーを出荷する。さまざまな種類の花卉(かき)が取り扱われているが、胡蝶蘭はやはり目を引く。

「母の日」のプレゼント用にと製造、出荷される小さなサイズのアートフラワーも=名張市蔵持町芝出で2026年3月24日午前11時41分、山口敬人撮影

 製造に携わるのは約10人、平均で30年ほどのキャリアを誇る職人たちだ。専門のデザイナーが作ったサンプルを見本に、輸入したポリエステル製の元の造花を、花器に挿した「アートなインテリア」(同社・奥田知久ブランドマネジャー)に仕立て上げる。

 「茎にワイヤを入れて曲げたり、花と花の間の開きを工夫したり。生花ではできない動きを出すことで、造花に命を吹き込んでいる」と大勝雅代センター長。さらに「生花はしおれてくると廃棄されることが多いが、根は生きていることも。かわいそうだし、捨てることに抵抗感もある。半永久的に楽しめるアートフラワーはそんな悩みを解消してくれる」と話す。

 選挙当選者の事務所にお祝いの胡蝶蘭がずらりと並ぶ光景を見かけるが、こんな数字もある。同社によると、2022年と25年の参院選のあった7月の比較で胡蝶蘭の出荷は点数で1・7倍、金額で1・94倍(ともに選挙贈答以外も含む)の伸びを示したという。

 奥田ブランドマネジャーは「時代がこちらに追いついてきた感もある。これからも『名張クオリティー』のアートフラワーをどんどん発信していきたい」と意気込む。名張センターでは5月10日の「母の日」に向け、胡蝶蘭の小さなサイズのアートフラワーの出荷も盛んに行われている。

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