多様性尊重の企業文化について話すTDKの斎藤昇社長(1日、東京都中央区)

TDKは1日、人材活用や組織文化など非財務資本に関する説明会を初めて開催した。多様性の尊重や組織横断型の連携を自社の強みとして社内外に発信する。注力する人工知能(AI)関連など新規事業につながる取り組みを加速させる。

非財務領域を「未財務」と呼び、初めて同分野で投資家向け説明会を開催した。斎藤昇社長は説明会で、TDKの成長の原動力が「多様性尊重の文化と機能対等の精神だ」と話した。同社独自の企業文化を「機能対等」と位置づけ、役職の上下にかかわらず意見を自由に交換できる社風であると強調した。

TDKはスマホ向け電池やセンサーなどでM&A(合併・買収)を駆使しながら成長してきた。従業員のうち8割がM&Aで傘下入りした企業の社員だ。異なる文化を持つ企業間で連携するため、組織や地域をまたいだ人材育成プログラムなどについて紹介した。

組織横断で事業開拓に成功した例として、2024年に立ち上げたスタートアップ、TDK SensEI(センスイーアイ)をあげた。産業機器向けにAIを使って故障などを予防するサービスで、電子部品単体の販売にとどまらない新たなビジネスモデルを目指す。

TDKはAI関連ビジネスを成長領域と位置づけて注力している。次世代のAIデータセンターに向け、光にデータ転送を担わせる「光電融合」技術で独自開発した素子などについて説明した。1日、自社の企業文化や精神性を表すブランドイメージを刷新すると発表した。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。