県営球場を巡り、多目的ドーム型の建設要望書を鈴木知事㊧に手渡す浜松市の中野市長(1日、静岡県庁)

浜松市沿岸部に静岡県が整備予定の県営野球場を巡り1日、中野祐介市長らが鈴木康友知事に多目的ドーム型の建設を求めた。設計は県と市が議論を詰めており、市長は「民間の力も引き出して進めてほしい」と訴えた。知事は厳しい県の財政状況も踏まえ「水面下でヒアリングしており(事業費の)精査も改めて必要だ」と応えた。

中野市長や浜松商工会議所の斉藤薫会頭らが「多目的ドーム型スタジアム建設促進期成同盟会」として県庁を訪れた。市長は「近年の猛暑を踏まえ、多目的な運動施設は市民の健康促進にも大きな意味を持つ」とした。要望活動は2024年6月以来で、鈴木知事あては2回目。

野球場は遠州灘海浜公園篠原地区に建設予定で、収容人数や設計ごとに3案に絞った。県と市の連携協議会で民間の意見を聞きながら1案を決める。多目的ドーム型は最も建設費用が高い。鈴木知事は足元の資材費や人件費の高騰を踏まえ、「(県が22年度にはじいた)370億円ははるかに超えるだろう」と話した。

県は2月に作った「中期財政計画」で大規模投資を減らす方針を掲げる。健全な予算編成や余裕のある県基金確保に向け、夏の総点検(サマーレビュー)も進める。

鈴木知事は民間資金の活用例としてプロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」(北海道北広島市)や、大型複合施設「長崎スタジアムシティ」(長崎市)を挙げ、スポーツ団体や不動産事業者を巻き込んだ複合開発で収益性の高い施設にする必要もあると指摘した。

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