デロイトトーマツコンサルティングは2日、企業が市場調査などで実施するインタビュー相手を生成AI(人工知能)で再現するサービスを開発したと発表した。想定する消費者の属性や回答を学習させ、性格や価値観をAIで再現する。マーケティングや商品開発を中心に一度の対話では難しい深層心理の深掘りなどに生かす。
新サービス「AI haconiwa」はデロイトのコンサルティングの一環として提供する。デロイトのAIの要素技術に、学術論文などの成果などをもとに開発した。テスト版はすでに提供を始めており、精度を高めて2025年12月から本格的に展開する。
まず、想定する消費者などにインタビューを実施する。インタビュー結果や属性などをAIに学習させて、言葉で表現されにくい個性や心理状況などの再現を目指す。再現した仮想の「住人AI」との対話が可能になる。一度の対話では難しい深層心理の深堀や、サービス、商品に対する反応の検証、予測に生かす。
当面は商品開発、マーケティングなどで数十件規模の採用を目指す。他にも人材開発、制度改革のシミュレーション、世論調査などへの応用もにらむ。
25年12月までには、インタビューの設計や実施を任せられるAIも準備する計画だ。将来は「住人AI」同士に対話させ思考がどう変わるかをシミュレーションしたり、外部情報を加えて住人AIがどう成長するかを検証したりできるようにする。
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