サントリーホールディングスの新浪剛史会長

サントリーホールディングス(HD)は2日、新浪剛史会長が1日付で辞任したと正式に発表した。同日の取締役会で新浪氏が提出した辞表が受理された。関係者によると、新浪氏は日本では違法の疑いがある海外製の薬品入手に絡み福岡県警の捜査を受けていた。警察当局は刑事責任の有無を慎重に調べるとみられる。

2日、サントリーHDの鳥井信宏社長と山田賢治副社長が緊急記者会見に出席し、説明した。サントリーHDによると、21日に新浪氏から一報があり、22日に警察の捜査について連絡があった。同日深夜に外部弁護士による新浪氏へのヒアリングを実施した。

新浪氏は1981年に三菱商事に入社し、海外事業や経営企画を担当したのち、2002年にローソン社長に就任。経営再建を託され、プライベートブランドの強化やヘルスケア路線への転換などで流通業界に新風を吹き込み、ローソンを成長軌道に乗せた。

14年にサントリーHDの社長に就任すると、米ビーム社の買収をてこに飲料・酒類事業などの海外展開を加速させた。

政財界でも頭角を現し、23年には経済同友会の代表幹事に就任。少子化対策やスタートアップ育成など幅広い分野で積極的に提言を行うなど発信力に定評があった。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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