ニイヌマはベトナム地方部でのスマート農業実証事業に取り組む=同社提供

建設事業や発光ダイオード(LED)照明などを手掛けるニイヌマ(宮城県石巻市)は、ベトナムでのスマート農業実証事業が経済産業省の補助金に採択されたと発表した。日本の農業技術やノウハウを生かした高品質・高付加価値の生鮮品栽培に取り組み、同国の中小農家の収益性改善を後押しする。

ベトナムの農業では低品質・低収益性が問題とされており、ニイヌマは正規輸入した日本品種のフルーツトマトの栽培を通した中小農家の収益改善を実証する。NTTアグリテクノロジーの遠隔農業支援サービスを活用し、生産者の栽培支援やビニールハウスの環境制御を行う。

同国へは韓国やオランダなどがスマート農業サービスを輸出している。ニイヌマによると、その多くは機械化や大量生産が可能な大規模経営主体を対象としており、全農業従事者の97%を占める中小農家には導入が難しい。日本の強みである中小農家向けのスマート農業をベトナム地方部で導入することを実証する。

栽培支援を通して収穫量を向上させた農家から作物を買い取り、自社販路で販売するフランチャイズ経営の実現も視野に入れる。ニイヌマ現地法人の代表を務める箕輪佑耶氏は「日本のノウハウや技術を用いて価値の高い野菜を生産することの楽しさや難しさを知ってもらい、地方の方々と一緒に成長したい」と意気込む。

今回採択されたのは経産省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」。グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国の市場活性化と、日本との経済連携の強化を狙っている。ニイヌマは国際協力機構(JICA)の支援を活用し、ベトナム山間部集落に太陽光発電システムを導入して生活環境を改善する事業も行っていた。

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