=曽根田和久撮影

 日本航空(JAL)は3日、国際線の機長が8月下旬に滞在先のハワイで社内規定に違反して飲酒し、体調不良となったため乗務できず、計3便に最大18時間以上の遅れが出たと明らかにした。

 JALでは昨年、機長らの飲酒による欠航や遅延が相次ぎ、昨年12月に国土交通省が業務改善勧告を出していた。不祥事が続発する事態を重くみた国交省は3日、航空法に基づきJALの関連施設を臨時で立ち入り監査した。

 JALなどによると、機長は現地時間の8月28日、ホノルルを出発し中部国際空港へ向かう便に乗務予定だった。乗務当日に体調不良を訴え、前日にホテルで500ミリリットルの缶ビール3本を飲んだことを認めたという。代わりのパイロットを手配したが、同便が約2時間、羽田行きの2便がそれぞれ18時間以上遅れ、乗客計約640人に影響した。

 JALでは昨年、国際線のパイロットによる飲酒問題が相次ぎ、口裏を合わせて隠蔽(いんぺい)しようとした事案もあった。JALは緊急対策として、パイロットの滞在先での飲酒を禁止していた。今回の件を受け「再発防止に取り組むなかで起きた飲酒事案を重く受けている。対策を検討し浸透させたい」としている。【木村敦彦】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。