UBE三菱セメント九州工場黒崎地区のセメント焼成用キルンとプレヒーター

UBE三菱セメント(東京・千代田)は3日、セメント原料の焼成工程で石炭の40%を天然ガスに置き換えて混焼する実証実験に成功したと発表した。天然ガスを混焼させるのは国内で初めて。セメント製造時の二酸化炭素(CO2)排出の3割を占める焼成工程のエネルギー転換を推し進める。

混焼実験は大阪ガスやDaigasエナジー、西部ガスと共同で実施した。仮焼きした原料をさらに焼成する回転窯「キルン」に新たに天然ガス焼成用のバーナーを導入した。バーナーの開発にあたってはUBE三菱セメントの微粉炭燃焼技術のほか、大阪ガスとDaigasエナジーのガス燃焼やシミュレーションの技術を活用した。天然ガスは西部ガスが供給した。

石炭の40%を天然ガスに置き換えた場合、セメント製造時に排出されるCO2を4万トン削減できるという。今後は天然ガスだけを燃やすことを目指すほか、将来的には水素とCO2を原料とする合成メタン(eメタン)への転換も検討する。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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