ニデックは3日、ニデック本体およびグループ会社において不適切な会計処理の可能性のある事案が見つかったと発表した。本社やグループ会社の経営陣が関与または認識した上で、不適切な処理に関わったと解釈する余地のある資料を発見したとしている。外部の弁護士らからなる第三者委員会を設置し、事実関係を詳しく調査する。

ニデックによると、発端は7月22日に子会社のニデックテクノモーターから本社の監査等委員会にあがった報告だった。テクノ社の中国子会社であるニデックテクノモータ(浙江)に不適切会計の疑いがあるとの内容で、2024年9月下旬に取引先の値引きに相当する購買一時金(約2億円)を適切に処理しなかった可能性を指摘していた。

このためニデックが監査等委員会の監督の下、問題の事案を調べたところ、ニデック本体およびそのグループ会社においても、不適切な会計処理の疑いが浮上した。経営陣が関与または認識した上で、資産性にリスクのある資産に関して評価減の時期を恣意的に検討していると解釈しうる資料も複数見つかった。

ニデックは監査等委員会による調査では限界があると判断。会社から独立した第三者委員会に調査を委ねるとして、3日付で第三者委の設置を決めた。第三者委は弁護士と公認会計士の計3人で構成する。委員長には西村あさひ法律事務所の平尾覚弁護士が就く。

第三者委は不適切会計の疑義を巡る事実関係を調べる。不適切会計が認められる場合は原因を究明したり再発防止策を提言したりする。ニデックに与える影響額なども算定する。

ニデックは3日、日経新聞の取材に不適切会計に関係する可能性のある経営陣の氏名や資産の種類ついて「第三者委員会の調査に委ねているため、お答えできない」と回答した。同時に「第三者委の調査に全面的に協力する。株主や投資家、関係者に多大な心配と迷惑をかけていることを深くおわびする」とするコメントを公表した。

ニデックの会計処理を巡っては、6月までにイタリアの子会社で貿易取引上の問題が明らかになった。その後、グループ内に同様の問題がないか調査するなかで、今回の事案が発覚した。

ニデックは貿易取引上の問題を受けて、本来6月30日までに提出する必要がある25年3月期の有価証券報告書を提出できていない。現在は9月26日までの提出を目指している。

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