東京ガスと三菱自動車、スマートリモコンの開発・販売を手掛けるNature(ネイチャー、横浜市)の3社は、自宅にある電動車の充電を遠隔操作で効率的に行う仕組みの確立に向けた実証に共同で取り組むと発表した。東京都が助成する「家庭の環境アクション推進事業」に採択された。

電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)を所有する家庭の共通課題として「いつ充電したらいいのか」がある。自宅でたくさん電気を使っている時間帯に充電するとブレーカーが落ちるリスクがある。また、帰宅後の夕方から充電を始める家庭が多いが、電力の全体需要が高まる時間帯でもあり、電力価格は高くなりがちだ。地域内の電力需要が特定の時間に著しく高まると、電力供給網が不安定になり停電の恐れが生じるという問題もある。

遠隔操作で充電する時間を自動制御できれば、電気料金を抑える、地域の電力需給の逼迫を避ける、といった効果が得られる。

3社は今回、車両データと電力市場価格をもとに充電計画を策定し、遠隔指令で自宅の充電器を自動制御するといった遠隔制御システムの構築を目指す。東京ガスのエネルギーマネジメント技術、三菱自動車のインターネット接続技術、ネイチャーの充電制御技術を活用して、具体的な効果を検証する。

三菱自動車のプラグインハイブリッド車(PHV)「アウトランダーPHEV」

実証の対象は、東京都内の戸建住宅で三菱自動車のプラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」を自宅の屋外コンセントから充電している世帯となる。9月23日までモニターを募集し、12月から2026年5月の予定で実証に取り組む。

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