野村総合研究所(NRI)は4日、人工知能(AI)に様々な役割や性格を持たせてデータを解説させる技術を開発したと発表した。事業の売上高など企業内に蓄積されるデータを分析する際に、経営者やアナリストといった異なる立場からの洞察をAIから得られる。

新技術の名称は「データ分析におけるAIを活用した多視点分析システム」。単体で動作するデータ分析アプリケーションとして提供するほか、ソフトウエア部品として既存の情報分析システムに組み込むことも可能だ。

利用者が「経営層」「経営アナリスト」「ステークホルダー」といった役割を選択すると、AIがその立場の視点でデータを分析して解説文を出力する。各役割の思考様式を模倣して生成AIの指示文(プロンプト)を自動作成する仕組みと、それぞれの役割に応じた補足情報(インターネット上の公開情報や社内文書、議事録など)のデータベースを組み合わせる。利用者は、あたかも該当人物と対話しているようにデータに対する洞察を得られる。

各役割が持つ性格について「ポジティブ」「ネガティブ」の比率を調整することも可能だ。例えば「より慎重なアナリスト」や「より楽観的な経営者」など、組織の文化や個人の思考様式に合わせた設定ができる。

このほか、出力された解説文に対して「この数値が変動した背景を詳しく教えて」「関連するデータをグラフで示して」といったように問い合わせると、追加のグラフを自動生成する機能も備える。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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