ミカンコミバエの成虫=農林水産省植物防疫所提供

 かんきつ類や野菜類などの果実に寄生し、腐敗させる害虫「ミカンコミバエ」が長崎県内で大量発生し捕獲数が過去最多を記録した。県は8日開会の県議会定例会に提出する補正予算案に調査や駆除などの費用約2億4000万円を計上した。

 ミカンコミバエは、体長約7ミリのハエの一種。かんきつ類やビワ、ブドウなどに卵を産む。幼虫が果実に寄生すると腐敗や落下し、収穫ができなくなる。

 日本では定着していないが、毎年、東南・東アジアなどから風に乗って日本へ飛来。今年度は対馬市や長崎市など10市町で計230匹(8月27日時点)を捕獲し、最多だった21年度(128匹)を超えた。

ミカンコミバエの成虫=農林水産省植物防疫所提供

 収穫する果実への被害はまだないが、県などは被害防止のため、ミカンコミバエが確認された地点を中心とした半径5キロ圏内に、4.5センチ四方の木質繊維板に誘引剤と殺虫剤を染みこませた「テックス板」を設置。引き寄せられた雄の成虫を駆除している。

 県農業イノベーション推進室の清水一也室長は「収穫されるミカンなどの被害が確認される前に、市町などと連携して対応していきたい」と話す。【百田梨花】

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