三菱電機は8日、53歳以上の正社員を対象に希望退職を募集すると発表した。通常の退職支援制度を拡充し、一時金を加算する特別措置などを導入する。2026年3月期に3期連続で過去最高益を見込むなか、従業員の高齢化に対処し次世代への技術継承などを推し進める。

26年3月15日時点で満53歳以上かつ勤続3年以上が経過した正社員と定年後再雇用者を対象とする。募集人数は定めていないが、三菱電機単体の従業員約4万2000人のうち条件に当てはまる社員は約1万人おり、人員構成の若返りをはかる。募集期間は25年12月15日〜26年1月9日。

応募者には通常の退職金に加え、特別に加算した金額を支払うほか、希望する正社員には再就職支援サービスを提供する。

募集人数を定めていないため業績への影響は不明とし、影響が判明し次第開示する。今後は三菱電機本体だけでなく、関係会社においても人員構成の最適化に順次取り組む。

三菱電機は26年3月期の連結純利益(国際会計基準)で前期比5%増の3400億円と3年連続で過去最高を見込む。防衛事業やビル設備が足元の業績をけん引する一方、ファクトリーオートメーション(FA)システムや自動車部品を中心に売上高8000億円分の事業で撤退も視野に見極めを進めるなどポートフォリオ改革を打ち出している。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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